交通事故の被害者を正当に守りたかった

私がなぜ行政書士を目指したか?簡単にいえばそれは、損害保険を下ろす立場から、保険を請求する立場に、役割を変えたかったからです。事故の被害者を本当に救える仕事は行政書士だと思ったのです。

大学を出た私は、損害保険会社に就職をしています。就職活動は深く考えてしたつもりです。しかしいくらたくさん調べたにせよ、学生にできることは知れています。
『損害保険は世の中にはなくてはならないものだし、名のある会社なので生活も安定するだろう』。それくらいの考えで、損害保険会社に就職したように思います。

損害保険会社では、保険に加入されているお客様に自動車事故などが発生すると、損害保険鑑定人という調査のプロに依頼して、事故状況や原因の調査等、保険価額の評価などを決定しています。
そのよう保険会社が計算した賠償額がそのまま受け入れられることもあれば、被害者の方の方でも独自に調査をして賠償額を提示してくることもあります。

そうすると、保険会社が独自の調査で試算した賠償金額と、被害者が見積もった金額が一致することはほとんどありません。
保険会社もビジネスです。加入されているお客様を保障するのが仕事といっても、自分の会社から支払う金額はできるだけ少なくしようとするのが当然だからです。

交通事故の保障には生々しい事例がたくさんあります。例えば加入者(運転手)含め3人が乗った車が自損事故。運転手と助手席の人は死亡して、後部座席に座っていた人は命は取り留めたものの重い後遺症が残った、などのケースです。
ご本人に過失はないのに、事故の後遺症で仕事を失ってしまった。そんな若い被害者の方の将来をどのように保障するべきかについては、われわれ損保マンも大いに悩むところでした。しかし会社側から暗黙知として渡されている補償額の範囲などもあります。会社の期待に応えられなければ、社内でキャリアの階段を上ることはできません。社会へ出て5年くらいでしょうか、私はそのようなことで悩んでいたことが多かったのです。

事故の被害者の側に立って調査をする人のなかに、行政書士という職業があるのを知ったのも損害保険の仕事をするようになってからです。学生の頃は行政書士という国家資格があることも知りませんでした。
交通事故の損害賠償請求を仕事にしている行政書士は、大体がみな交通事故のみを専門に仕事をしていることがわかってきました。みな独立開業者です。
『できればそっち側に行って、被害者を守りたい』、純粋にそのよう強く思う時期がありました。そして行政書士の本や参考書などを読むようになっていきました。

>>独立開業した行政書士に仕事や合格のポイントをインタビューしています。